【動くガンダムの謎に迫る!】GUNDAM FACTORY 横浜レポート
- 実物大ガンダムを動かす事への挑戦
- 【場所・アクセス】GUNDAM FACTORY 横浜
- 【実物大】RX78-00ガンダム
- 動くガンダムの仕組みを簡潔にまとめると
- 悪天候にも対応できるの?
- こだわったポイントはコクピット
- 操縦はできないの?
- どんな動きができるの?
- モーターだけでは動かせない
- 関節数の制限
- 動くガンダムの素材
- モーターの格納場所
- 動くガンダムに関わる企業たち
- 乃村工藝社|本体デザイン・演出・フレーム
- 住友重機械搬送システム|ガンダムキャリア
- 安川電機|本体モータ・制御装置
- アスラテック|モーションプログラム・制御システム
- ココロ|本体ハンド
- 三笠製作所|本体電気配線
- 川田工業|ガンダムドック、ガンダムラボ
- ナプテスコ
- 前田建設工業|試験施設、稼働状況把握技術
- ロボットってなんだろう?
- ガンプラも買えるよ!
- ガンダムカフェも併設
- 【来場者へのメッセージ】
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実物大ガンダムを動かす事への挑戦
2009年に登場したお台場の18mの実物大ガンダム。
大地を踏みしめるその姿に、数多くの人々の心を捉え夢の可能性を感じたよね。
そしていま、2019年に40周年を迎えたガンダムが、日本を世界を動かすんだ。
「夢に挑戦!ガンダムが動く、世界が動く。」
究極の夢、18mの実物大のガンダムを動かすことに挑戦!
壮大な夢のためにプロジェクトチームを結成し、世界中から幅広くアイデアを集めたんだ。
日本が軸となってグローバルなプロジェクトを推進。
オープンイノベーションを通じてさまざまな意見、知恵と技術を取り入れながら、ひとつのプランへと集約。
基本設計から実施設計、検証実験を重ねて、いよいよ製作へ。
2020年、12月20日にオープンした「GUNDAM FACTORY横浜」
等身大のRX78ガンダムが動くということで話題になってるよね。
日本は「ロボット大国」と言われてるけど、発達した現代のテクノロジーでも、こんな巨大なロボットを動かすのは大変なことなんだ。
どうやって「動くガンダム」を作ったのか?
どんな仕組みで動いているのか?
今回は「動くガンダム」のテクノロジーについて紹介していくね。
【場所・アクセス】GUNDAM FACTORY 横浜
- 〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町279番25 山下ふ頭内
- 営業時間:10時00分~21時00分
- 入場料金 大人(13歳以上):1,650円(税込)
- 小人(7歳以上12歳以下):1,100円(税込)
- GUNDAM-DOCKTOWER 大人/小人(7歳以上):3,300円(税込)
- 最寄り駅:元町・中華街駅から徒歩10分ほど
最寄り駅は地下鉄「元町・中華街駅」でガンダムファクトリー横浜まで10分ほど歩きます。
近くに有名な「赤レンガ倉庫」や「横浜中華街」とかありますよ。
【実物大】RX78-00ガンダム
- 体高:18.0m
18mの大きさは、身長180cmの10倍の大きさ、ビルなら6階くらいの高さになります。
理屈上で大きいことはわかるけど実際に見るとすごい迫力ですよね。
動くガンダムの仕組みを簡潔にまとめると
フレーム構造は建設機械、駆動系は産業用ロボットなんだ。
外装はお台場ガンダムと同じ造形物でさまざまな分野の複合的な機械システムでできているよ。
悪天候にも対応できるの?
雨や雪くらいなら大丈夫だけど、強風の時は動かすことが厳しいよ。
特に台風の時はワイヤーなどで「ガンダムドッグ」に係留する必要があるんだよ。
こだわったポイントはコクピット
本物のコクピット空間を作ることにこだわってるんだ。
実際に乗って動かすことができないけど、模型型であるガンダムにとって外せないポイントだよね。
ガンプラも見えないけどコクピットの造形までしっかりしてるよね。
操縦はできないの?
さっきもちょっと紹介したけど、ガンダムの操縦はできないんだよ。
事前に決められたモーションに従って動くことになっているよ。
ただハンド部分は外からの指令で動かせる構成になっているよ。
どんな動きができるの?
動きそのものより、多様な表現ができるよう凡庸的なハードを目指して設計されているよ。
片膝たちの時にできるだけ膝を深く曲げられるように工夫してあるんだぜ。
モーターだけでは動かせない
関節は基本的にモーターと減速機で構成されてるよ。
大きな力が必要な腰ピッチ軸と太ももだけは電動シリンダでできてるよ。
関節数の制限
ガンダムは脚を横に動かせない構造なんだ。
本来なら立ちポーズは広げ、歩くときは揃え、しゃがむときは内側に寄せる。
この構造で違和感なく違和感なく動かすことに苦労したみたいなんだ。
ロボットとして関節数は少ない方がいいんだけど、そうするとポーズの幅も狭まってしまうよね。
実現したいポーズを踏まえつつ、構造的に無理がないように関節の配置が決められてるよ。
動くガンダムの素材
- フレームは鉄
- 腕と脚はCFRP
腕や脚は先端側をできるだけ軽量化する必要があったんだ。
そのため、さまざまなデザイン調整がされてるんだって。
強度と軽さを確保するため、「CFRP製」でできてるんだよ。
フレームの素材は軽くて強いカーボンやチタン合金も考えたんだけど、工程や予算に制限があった上、鉄でも実現できそうだから鉄でできてるんだよ。
モーターの格納場所
すねに収納するためにフレームを曲げてるんだって。
当初はモーターの外側に飛び出るデザインだったんだけど、違和感が大きかったから、フレーム側で調整したんだ。
また肩関節の外側にモーターが飛び出てるんだけど、塗装で調整してあるよ。
動くガンダムに関わる企業たち
- 乃村工藝社
- 住友重機械搬送システム
- 安川電機
- アスラテック
- ココロ
- 三笠製作所
- 川田工業
- ナプテスコ
- 前田建設工業
たくさんの企業の力を集結して、動くガンダムが完成しているんだ。
各社の取り組みを紹介していくね。
乃村工藝社|本体デザイン・演出・フレーム
初代お台場ガンダムからの10年で培ったスキルと経験を活かして、本体のデザイン、演出、フレーム、外装パーツを担当しているよ。
筋堀りライン、膝関節、軽量素材などによって稼働時のバランスとデザインを兼ね備えた新しい等身大ガンダムになっているよ。
住友重機械搬送システム|ガンダムキャリア
住友重機は、巨大な重機を制御し、移動させる産業機械を作っている会社だよ。
等身大ガンダムを上下前後移動させる「動くガンダム」をへ動作命令を行う仕掛けが組み込まれているよ。
動いているガンダムを見る位置によっては「ガンダムキャリア」を確認することができるかもね。
ナチュラルに動くかも必見だよ。
安川電機|本体モータ・制御装置
産業用モータ、ロボットなどを製造販売している会社だよ。
動くガンダムの各間接部の制御を担当しているよ。
各軸はサーボモータを用いて正確に動かしているよ。
各軸のタイミングを合わせ、スムーズに動かすことでガンダムらしい動きを表現しているんだよ。
アスラテック|モーションプログラム・制御システム
アスラテックは、テクニカルパートナーとして、実物大ガンダムの制御を担当しているよ。
ガンダムを動かすための制御ソフトウエア、演出と連携して各種機器を制御する機器、ハンド制御装置などの各種制御機器の開発やモーションプログラムの作成をしているよ。
なお、制御ソフトウエアには、アスラテック独自の「V-Sido(ブシドー)」が使われているんだ。
「GUNDAM-LAB」の「モーションシミュレータ」で、来場者は、タッチパネルをペンで操作して、ガンダムを自由に動かす体験ができるんだよ。
ココロ|本体ハンド
ココロは、ガンダムの手の部分「ハンド」の制作を担当しているぞ。
さまざまなポーズがとれるように、指一本一本が独立して動くようにすることで、幅広い演出表現のできるハンドになっているんだぜ。
細かいデザインを忠実に再現しつつ、滑らかな動きを実現するには、
機構や造形各部分の精度だけではなく、互いの結合部で非常に細やかな調整が要求されます。
可動関節の隙間は1cmとかなり攻めた設計になっているぜ。
内部構造はどうなっているのか?
想像しながら動きをみてくれるとおもしろいんだぜ。
動くガンダムのラストは天に向かってトゥースのポーズなんだよ。
三笠製作所|本体電気配線
ガンダムの動作における安全評価とそれを実現するための機器選定、電気配線の担当をしているよ。
川田工業|ガンダムドック、ガンダムラボ
ガンダムを収納するガンダムドッグの担当をしているよ。
ドッグの形状、形質にはすべて理由があって、安全を守る工夫が詰まっているんだよ。
自然災害も考慮したデザインになっているんだ。
「GUNDAM-DOCKTOWER 」の入場をした人はガンダム本体だけじゃなく、デッキにも注目してみてね。
ナプテスコ
精密減速機により関節部分をスムーズに動かすことを担当しているよ。
精密減速機「RVTM」を、実物大のガンダムの各関節部分に使われる精密減速機として、最大級のものから小型のものまで19個搭載されているんだ。
各関節部分がスムーズに動くことほか、重量物を正確に「うごかす、とめる」のモーションテクノロジー技術も見てみてね。
前田建設工業|試験施設、稼働状況把握技術
機体の稼働状況把握および重量部品組立のテクニカルパートナーの役割を担っているよ。
「もはやビルを動かしている」と言っても過言ではない、動くガンダムのスケールを感じて欲しいんだぜ。
重く大きなものを動かすためには、安全に止めることも大切なことなんだ。
ロボットってなんだろう?
「ロボット」って聞くと人間型をイメージする人が多いよね。
実はロボットの定義ってとっても広いんだ。
「人間の代わりに働いてくれる機械」
と考えると、自動運転の車、宇宙を飛ぶ人工衛星もロボットの一種として見ることができるよ。
ロボットという言葉が初めて誕生したのは1920年だけど、そうした発想は昔からあったんだよね。
便利なロボットの実現は、人類の長年の夢だったのかもしれないよね。
でも、その一方でロボットに対する「恐れ」も存在するんだ。
SF界の巨匠「アイザック・アシモフ」の「ロボット三原則」は特に有名だけど、
「ロボットは人間に危害を加えてはならない」というものだったんだ。
ガンプラも買えるよ!
ガンダムファクトリー内には、ガンプラを買えるスペースがあるよ。
でも買えるガンプラは主に「RX78-00」シリーズのものになるよ。
ガンダムカフェも併設
ファクトリー内にはガンダムカフェもあるよ!
【来場者へのメッセージ】
見に来てくださってありがとう。
ごめんないさいと言わせて。
今日、実物大のガンダムを見に来てくださって
「あれ、歩かないのか、つまんないな。」と思った君には、心からごめんない、と謝ります。
本当は、この大きさで歩くガンダムを造りたかったのですが、おじさんたちができることは、ここで見られる以上に動かせなかったのです。
数年前に頭だけ動くガンダムを造ってみて、もっと動かせるだろうと思ったおじさんやおばさんたちがいっぱいいました。
それでビルを作るときに使われる建築用の機械を作ってる人たちや、二足歩行のロボットを作っている人たちとも相談しました。
どこまで動かせるのか、と考えたのです。
そして分かったことがあります。
歩かせようとすると地面から浮かせなければならないのですが、
ガンダムの大きさでは歩かせることができないということだったのです。
歩くロボットが作られるようになったのに、なんでできないの?
と不思議に思ったでしょうが、人の大きさならできるのですが、
ガンダムの大きさでは、片方の足が地面から浮いている時間が長すぎるので、倒れてしまうのです。
そして、実際の大きさのガンダムができる「動かし方」を研究した結果が、ここで皆さんの見ることができる「動き」なのです。
こんな動きしか、させられない、というのには理由があります。
物が地面に落ちるのは、地球に重力というものがあって、それに引っ張られているからです。
これを防ぐ方法はありません。
逆に考えれば、テーブルの上にコップを置いておけるのは、重力があるからです。
スカイツリーのような高い塔は、倒れないだけの強い鉄骨の材料を組み合わせて、
強風にも地震にも負けないように頑丈に作られています。
塔の根元はとても頑丈な足場で、地面のなかに埋まっています。
そのために、絶対に動かすことができません。
もちろん、足の裏に地面との距離を測るセンサーや、全体のバランスを知らせるジャイロスコープといった機械を取り付けて、それらのデータをコンピュータに集めて、体の向きや傾きを修正させるように各部のモーターを動かしてバランスを取ることができるのですが、ガンダムの大きさでは、とてもとても難しいのです。
もっと軽い材料やもっと優れた機械があれば、とも考えましたが、現在、調達できる動くものは、ここまでのものしかできなかったです。
なによりも、ガンダムの高さの大きさのものを「乗り物」と認めてくれる法律がなくて、「建築物の法律」に従って造る必要があったので、絶対に倒れてはならないものを造る必要があったのです。
ですから、整備塔のようなものの一部としてのガンダムにしなければならなかったのです。
二足歩行で歩かせることができなかったので、悔しいと思っています。
ですから、君たちにお願いしたいことがあります。
もっと乗り物として動かしたいと思う人は、このガンダムを見上げて、解決しなければならない問題がいっぱいあるのだ、という想像をして、その解決策を考え出してほしいのです。
でも、今回、ここまでしか動けないガンダムですが、建設に関係したスタッフはみんなで、造って良かったと思っています。
なぜなら、これだけの大きさの人の形が、ゆっくりしか動けないのですが、そのゆっくりさがとても似合っていて、やさしいなぁ、と感じているのです。
本当は、アニメのように早く動くとか、スポーツ選手のように格好良く動いて欲しかったのですが、それだけではない「優しいガンダム」を見上げられることができて、ちょっと幸せな気持ちになっています。
これは、造ってみるまでは、最も想像できなかったことなのですが、それはそれで、楽しいことだと思っていますので、楽しんでくださいとお願いします。
本当に、今日は見に来てくださって、ありがとうございます。
機動戦士ガンダム・原作者
富野由悠季 でした。